「…隼斗くん?」


「ん?」


「どうかしたの?ぼーっとして」



雪乃は心配そうに俺を見つめる。


『愛咲のことを考えていた』なんて言えるわけない。


そんなことをしたら雪乃の綺麗な顔が悲しみで染まってしまうのがわかっているから。


だから



「なんでもないよ」



俺は、そうしかなかった。


なぁ、雪乃。

俺はお前を幸せにしてやれんのかな。
お前は今俺の隣にいて、幸せなのか?