意気地無し……か。
確かにそうかもしれない。



でも、仮に告白して絶対ないと思うけど
万が一、成功してしまったら?


俺はもう愛咲を手放したくなくなる。
だから、最初から手に入れてはいけないんだ。


それが、俺の運命だから。







愛咲と一緒にまたふざけた言い合いをしながら学校から家まで帰ってきた。



「あら、おかえりなさい~♪

じゃあ、支度しておいで」



家の中に入ると、玄関で母さんが出迎えてくれた。

母さんはきっと俺が愛咲を好きなのを
知ってるから協力してくれるんだろうな。



「はい」



家に帰るなり、俺はある場所へ向かう支度をし始めた。


スーツケースに服や必要なものを
色々と詰め込んで……っと。


まぁ、忘れ物したら
あの距離だから取りにこれるしな。