『全然大丈夫だから。
それより仕事お疲れ様』



母さんと話すのは少しだけ
気楽にできるようになった。


というか、むしろ体育祭には
来てもらわなくてよかった。


あんなところを見られてしまったら、
母さんが気づいてしまうかもしれない。



──…俺がまだ愛咲を好きだということに。




『あっ、そうそう!!聞いて聞いて~

今日、隼斗くんってば借り物競走でね、私のこと選んでくれたのっ♪
しかも、お題は“好きな人”!!』



嬉しそうに話す雪乃。
俺も話に合わせて無理やり笑う。


ちゃんと、笑えてんのかな。