『本当だよ』
『じゃあ…キスしてよ』
『え…?』
突然の雪乃からの頼みに俺は戸惑いを隠せなかった。
まさか、あの雪乃がそんなことを言うなんて思ってもいなかったから。
『はやく……私のこと好きなんでしょ?』
俺はいわれるままに
雪乃の整った顔に顔は近づけていく……
だけど、あともう数センチというところで俺はやめた。
『ここ学校だから』
俺はそう言って
逃げるように保健室から出た。
何やってんだよ……俺は。
雪乃が好きなんだろ?
これから、好きになるんだろ?
なんでこんな時……
アイツの顔が浮かぶんだよ。
唇を重ねようとした時、パッと頭に愛咲が
楽しそうに笑っているところが浮かんだ。



