何も無かったかのようにいつものように
うるさい愛咲の態度に懐かしさを感じた。
愛咲はいつもそうだ。
俺が酷いことをしても、周りからどんな噂を流されてもいつも味方をしてくれた。
今のようにいつもと変わりなく接してくれて、
それが何よりも俺の心を支えてくれたんだ。
だけど、
今回はそうもいかないみたいで、雪乃が来ると一人でそそくさと保健室から出ていってしまった。
そうか……。
愛咲は俺が雪乃が
好きな設定になっているんだった。
『隼斗くん。さっきのウソじゃないよね?』
涙を溜めて俺を見る雪乃。
俺は一体何がしたいんだろうか。
大切な人を守ることも出来ない。
何を…どうすればいいんだ?
改めて、自分の無力さと
最低さがたまらなく情けなくなる。



