……いた。
その前には愛咲がいて
それだけで心臓が加速する。
今日は髪の毛上げてやがる……。
いつもとは違う愛咲に
ドキドキしている自分がいた。
だけど、愛咲に手を差し伸ばすことができず
大きな瞳に涙を溜めて俺を見つめているのに気づいたとき、
どうしようもなく抱きしめたくなったけど理性を抑えて雪乃を連れてゴールした。
『あっ…あの…隼斗くん///』
『ん?』
『好きだよ…///』
───……好き…かも。隼斗のことが…
こんな時に限って、あの日の愛咲の告白が頭の中に浮かんできた。
チッ……なんでいま思い出すんだよ。
忘れなきゃいけねぇのに。
『うん、俺も』
思ってないことを口にする最低な俺。
本当に俺が好きなのは愛咲なのに。



