学校で雪乃と
付き合っているという噂が流れ始めた頃。



体育祭で全員リレーのアンカーを任された。
しかも、俺の前の女子は運悪く愛咲。



なんで寄りによってアイツなんだよ……と思っていたけど、学校が終わって気分転換に散歩に行ったときだった。



俺は近くの公園を通って思わず立ち止まった。


だって、愛咲が一人で
必死に走っていたから。



何回も何回も同じ場所を行き来して、汗を拭いながら走っている姿を俺はしばらく見つめていた。



愛咲は昔から負けず嫌いで頑張り屋な性格だ。


いつもムリしてまでもやり遂げる。


愛咲の頑張っている姿を見ていると
自分の情けなさを感じざるおえなかった。


俺……何やってんだろ。


俺を好きかもしれないと言ってくれた彼女を突き放して、また俺の隣で笑ってほしいと思ってるのなんて最低だよな。