俺たちが結婚することは、
俺の両親と雪乃の両親の夢でもある。
昔から愛咲とは真逆な性格をしている雪乃。
女の子らしくて、上品な彼女。
だけど、意外と昔はワガママで
いつも愛咲が気を利かせていた。
今はよく知らねぇけど。
元から半年間という期間限定の同居だった。
最後ぐらい、愛咲との思い出がほしかった。
それを伝えたのは遡ること
半年前のある日の朝───…
*
『隼斗、いいかげんに結婚を認めなさい』
耳にタコができそうなほど、言われたそのセリフ。
遠い昔に勝手に決められた俺の人生。
好きでもないヤツと結婚するという無残な運命。
とてもじゃないけど、
それを俺は受け入れられなかった。
俺がほしかったのは金や地位なんかじゃなくて、誰よりも愛しい愛咲だけだったから。