でも、なんで…?
あたしとの同居と
雪ちゃんとの結婚になんの関係があるの?
「それが隼斗くんの答えだったのよ。
愛咲と半年間ずっとそばにいさせてくれたら
雪乃ちゃんと結婚するって言ったんだって」
ツーとあたしの瞳から
涙が頬を伝って流れる。
あたしにとっては初めは最悪な半年間だったけど、 隼斗にとっては大切な半年間だったのかな?
「隼斗くんは結婚する前に好きな人との思い出が欲しかったんじゃないかな?」
ママの言葉があたしの心に痛いほど響く。
あたし…最低じゃん。
隼斗にちゃんとした思い出なんて、何もあげられなかった。
今、全部わかったよ。
隼斗があの日、あたしに
『はやく、俺を好きになれ』
そういった理由も、今ならわかる。
もし、あそこであたしが素直に好きだと言っていたら、仮に付き合っていたら、隼斗にとって最高の思い出が出来たかもしれない。