「ママ、惚気話ならまた今度でいい？」
とても今はママの幸せな惚気話を聞けるような状態じゃなかった。
「ううん、愛咲。
今日は惚気話なんてしないわ」
ママはやっぱりいつになく真剣な顔をしてあたしの顔をジッと見つめる。
じゃあ、なんの話…？
全然想像もできない。
「愛咲、あなた隼斗くんのこと
好きになったりしてないわよね…？」
そう言われた瞬間、ドキンと心臓が跳ね上がった。
だって、ママがそんなことを言うと思っていなかったから。
でも、今のママの言い方だとあたしが隼斗を好きになってはいけないような言い方じゃん。
「…なんで？なんでそんなこと聞くの？」
答えられなかった。
YesともNoとも言えなくて……
答えてしまったらいけないような気がしたから。
