「藤沢さんが心から幸せだと思う日がきたら
俺も諦めるから。じゃあね」



最後にあたしの頭を優しく撫でると倉庫から出ていった。


宇都宮くんの優しさにじんわりと胸が熱くなった。

宇都宮くん……ありがとう。
あたし、まだ諦めたくないから頑張る。


その後、一人でゆっくりと歩きながらと家に帰った。


鍵を開けようとしたら、なぜか開いていた。


あれ……?

もしかして…泥棒?

不安に思いながら恐る恐る家に入ると……


ドタバタドタバタッ!

中からこちらへ走ってくる足音がする。


あれ…?泥棒さんにして騒がしいな。

でも、もう気にする気もないほど泣き疲れていた。



「愛咲~!!!ただいま~~♪」



中から走ってきたのはママ。


えっ…?
ママって、来週帰ってくるんじゃなかったの?