「隼斗くんっ!こんな所にいたんだっー!探したよ~」
そのとき体育館に雪ちゃんが入ってきて、隼斗にぎゅっと抱きついた。
やだ……こんなところ見たくないの。
これ以上、二人の関係に黒い感情を抱きたくない。
あたしは思わず、後ろを向いた。
「雪乃…」
「ほら、帰ろ?ママたちも待ってるよ♪」
親……公認なんだ。
学校でも公認なんだもんね。
ってことはもうあたしの勝ち目なんてないんじゃん。
なのに……どうしてこんなことするのよ。
聞かなきゃよかったのかも。
そしたら、もっと簡単に
隼斗のことを忘れられたかもしれない。
でも、もう本当は気づいている。
後に引けないくらい隼斗のことが好きだってことに。
そんなこと考えているとどんどん足音が近づいてくることに気づいた。
コツコツと足音が確実にあたしの元へ近づいてくる。



