っていうか、ママってば
絶対何がなんでも行く気だったよね!?
クッソぉ…完全に騙された。
可愛い顔してやることはゲスいな……。
「はぁ、このアホ咲と半年間とかキッツ~」
二人きりになるなり、
態度をガラリと変えてソファーにドカッと座った隼斗。
いや、ここ他人の家なんですけど。
もっと礼儀正しくできないのかな…??
「うっさい!!
そんなのあたしだってそうだし!!」
しかも、なんで相手がこんなやつなわけ?
もっと優しくて王子様みたいな人がいるでしょ?
神様ってば、意地悪すぎません?
「あっ!
くれぐれもこのことは誰にも言わないこと!!」
「は?なんで?」
なんで…ってバカか、コイツは!!!
あ、そうだ、バカだった。
「バレたら何かと大変でしょ!!」
「ふーん…しかたねぇな」
バレずに半年間過ごすんだ。
大丈夫、きっと……バレない。
だけど、この半年間があたしにとって
忘れられない半年間になることに
あたしはまだ気づいていなかった───。