「俺はもう…愛咲とは一緒に居られない。

それが俺たちの運命だったんだ。
俺たちは結ばれないと初めから決まってたんだよ」



一緒に居られないって?

だから、ただの隣人だなんて言ったの?



「それって…」



言葉を失ったのか、宇都宮くんの顔が怒りに満ちた表情から切ない表情へと変わった。



どういうことなの…?
頭の悪いあたしには分かんないよ。



「あぁ、頭のいいお前ならわかってくれたか?
だから、お前に愛咲を頼みたい。
この通りだ、頼む……」



隼斗はそういうと、宇都宮くんの方を向いて
膝を体育館の床につけて、深く頭を下げた。


ちょっと…隼斗!?

なんで…土下座なんて。


なんで……なんで
突き放しといてこんなことするの?



キミの一番は
あたしじゃなくて、雪ちゃんなのに。



どうして…っ。

どうしていつも、期待ばっかりさせるの?