「突然、悪かったな…」
だけど……その声には聞き覚えがあって一瞬、あたしの思考回路は停止した。
なんで…?
なんであんたと宇都宮くんが……?
その声の主は……隼斗だった。
「俺に話ってなに?」
「あのさ……
お前愛咲のこと好きなんだろ?」
いま、隼斗がどんな顔をしているのかはあたしにはわからない。
だけど…話ってあたしのこと?
誤解はもうすでに解けているはずだよね?
「……それがどうしたの?」
「お前に……頼みがあるんだ」
「頼み?」
「愛咲が喜んでる時は一緒に喜んでやってほしい。
悲しい時は側で支えてやってほしい。
泣いてる時はその涙を拭いてやってほしい。
落ち込んでる時は励ましてほしい」
……っ!
どうしてこんなことを宇都宮くんに頼むの?
あたしたちはただの隣人なんでしょ?
だったら……どうしてそんなことを頼む必要があるのよ。