保健室を見渡してみても先生の姿はない。


何を思ったのか、棚から救急箱を取り出して
丸いイスに座った隼斗。


あたしも隼斗の前の丸いイスに座る。


もしかして、手当て…してくれるの?


そんな彼の優しさにぎゅっと胸が締め付けられる。



「ここ……」


「うーわ、また派手に転けたな…」


「えへへ…」



救急箱から消毒液を取り出して、
あたしの左足にボトボトとかける。


すると、ジワジワと足に鋭い痛みを感じた。



「いったぁーーー!!!」



やっぱり、消毒とか嫌い……。



「これぐらい我慢しろよな」



その口調はいつもの隼斗で、少し安心した。


消毒液をかけ終わると
コットンでチョンチョンと傷の周りを拭く。