せっかくみんなが頑張ってくれたのに
あんなところで転けちゃって……。
あたしの心はそんな罪悪感に襲われていた。
だけど……
「俺に任せとけ、愛咲」
隼斗は自信に満ち溢れたような笑みを浮かべてそういった。
まるで、“俺が一位になるから”そう言ってるように見えてドクンと胸が大きく飛び跳ねた。
隼斗はビュンビュンと飛ばして二位まで追い上げて…そのまま一位を抜かしてでゴールした。
や、やったぁー……!!!
一位だっ!!!
周りから大きな歓声が巻き上がる。
その瞬間、ずっと堪えていた涙が溢れてきて
あたしの頬をツーっと伝った。
「うぅ…よかった…」
一位になれたことがすごく嬉しかった。
でも、何より……隼斗に名前を
呼ばれたことが一番嬉しかった。
前みたいな関係に一瞬だけど
戻ったような気がしたんだ。



