こんなかっこ悪い姿をたくさんの人に見られて恥ずかしいけど、今はそんなことは気にしていられない。
あたしは痛む足を必死に動かして
何とか三位のクラスに追いついた。
だけど、追いつくだけで精一杯でなかなか、抜かせなくて結局順位は四位のまま。
もうやだっ……。
こんなところ見られたくなかった。
なんで…?
毎日、必死に頑張って走ってきたのに。
どうしてこんなふうになってしまうの?
あたしはただ…隼斗にかっこいい姿を見てもらいたかっただけなのに。
「愛咲...っ、頑張れっー!」
真瑠の大きな声援を受けて、
あたしは隼斗の前まできた。
大好きな彼がすぐそこで待っている。
たとえそれがあたしが手に持っているバトンのためだとしても。
「ごめんっ…隼斗…!」
あたしはそういって隼斗にバトンを渡す。
四位なんかでバトン渡しちゃってごめん。



