あたしが走る番になった時、
あたしたちのクラスは二位だった。
「愛咲っ…!」
恭介くんからバトンを受け取って、
必死に地面を蹴って、脚を動かして走る。
大丈夫、このままいける……!
そう思っていたときだった。
後ろからきた三位の子にドンッとぶつかられた。
あっ、ヤバい…!
そう思った時にはもう遅くて
あたしは地面にバタンッと倒れ込んだ。
そのあいだに次々と抜かされていく……
あたしは泣きたくなるのを抑え
唇をぐっと噛みしめて立ち上がった。
足にズキッと鋭い痛みがはしった。
見てみると左足から
ジワジワと血がでていた。
痛さで顔が歪むのを我慢して、
あたしはまた走り出した。



