「愛咲、次全員リレーだよ?」
真瑠に言われてノロノロと歩き出す。
だけど、さっきの光景が頭から離れてくれない。
障害物競走は二位という奇跡が起きた。
みんな褒めてくれたけど、隼斗は知らないフリだった。
なんで……こんなふうになっちゃったんだろう。
「あっ…うん」
「まぁ、元気だしなよ。
今日のためにずっと頑張ってきたんでしょ?」
「そうだよね」
この日のために一生懸命頑張ってきたんだ。
いまさら、グダグダ言っててもダメ。
頑張れ……あたし。
「それでは、位置についてよーい、パンッ!」
その合図で四クラス一斉に走り出した。
あたしは気持ちを切り替えて必死に応援した。
「頑張れーっ!!」
でも、どんどん順番が近づいてくるにつれて
不安や緊張が大きくなっていく。



