涙なんてあたしには似合わないもん。

とにかく、まず走る練習しよう。


隼斗にいいところを見てもらたいから…。
隼斗に……『頑張ったな』って褒めてもらいたいから。



それからあたしは体育祭までの間
毎日、欠かさずに公園で走る練習をした。



ずっと隼斗と過ごしてきた約半年間。
たくさん思い出もできた。


だから、その家に一人で家にいるとどうしても楽しかった頃を思い出してしまうから外に出て走ることに集中しているといい気分転換にもなった。



それに…少しでも走るのが成長したカッコいいあたしを見てほしいから。


走る理由なんてそれだけで十分だった。
隼斗や真瑠や恭介くんのことを考えると頑張れるんだ。


あたしの大好きな人たちだから。


だけど、教室とかで雪ちゃんと隼斗が二人が一緒にいるの姿を見ると、目を逸らしたくなるし、胸が苦しくなるけど、あたしは頑張るって決めたから精一杯頑張るよ。


ずっと隼斗はあたしを想い続けてくれたんだもん。


今度はあたしが隼斗の背中を追う番。