「はぁ……仕方ないなっ。今日だけ特別」
そういって、真瑠はあたしを抱きしめた。
でも、そういった真瑠の声は
震えていて泣いているのだと思った。
いつも暑苦しいといって
抱きしめるの許してくれない真瑠。
だけど、今日はあたしを
優しく強く包み込んでくれた。
そのぬくもりがとてもあたたかくて
余計に涙が溢れて止まらなくなる。
「真瑠…あたし頑張る。
先は見えなくてもいいから諦めない…」
あたしにはこんなにも
自分のことを想ってくれる友達がいる。
それだけで、頑張れる気がした。
悲しみにばかり暮れて泣いてばかりいないで前を向こう。いっぱい笑おう。