「愛咲ちゃんとは仲がいいの?」
「藤沢さん?……別に」
後ろから聞こえてくるのは
一番聞きたくない二人の会話。
盗み聞きをして、心の中でツッこんでしまっている自分をボコボコに殴りたいよ。
それに………なーんだ、隼斗。
案外、上手くいってんじゃん……よかったね。
そう思ってるのに心は正直で
こんな些細なことだけで泣きそうになる。
だって、最後の質問の答えは
仲良くないって言ったようなもんじゃん。
隼斗の心の中にはもうあたしはいないんだ。
あたしの心の中は隼斗でいっぱいなのに。
「よし…体育祭の練習だ……」
あたしは一人でぼそっと呟くと、
学校まで全力で走った。
ちょっとでも隼斗と雪ちゃんから離れたくて
もう二人が仲良く並んでいるところを視界に入れたくなくて、無我夢中で走った。



