「…んだよ。アイツのことばっか庇いやがって」
「べ、別にそんなんじゃ…!」
「わかってる……お前の心の中に俺がいないってことぐらい。
だけど、少しぐらいは意識して欲しかった……」
隼斗の普段はあまり見せることのないひどく傷ついたような顔を見ていると、胸がぎゅっと切なく締め付けられた。
「でも…お前はアイツが好きなんだろ?
だったら勝手に付き合えば?
俺のことはもう放っといていいから」
隼斗は早口でそれだけ言うと、
颯爽と二階の自分の部屋に行ってしまった。
何よそれ……。
なんでそうやって勝手に決めつけるの?
あたしが好きなのは宇都宮くんじゃなくて
ずっと、隣にいてくれた……隼斗なのに。
どうして?
どうして……こうなっちゃうの?
やっと、好きだってことに気づいたのに。
あたしは何もする気も起きなくてご飯も食べずにお風呂に入ってそのまま眠った。
でも、あたしはこのとき、こんな喧嘩はいつもみたいにすぐ終わると思っていた。



