「えっ!?」


「今日だけでいいから」



手を合わせて必死に頼む宇都宮くんの姿を見ると、とてもじゃないけどNOとは言えなくなってしまう。



「わかった…」



だから、一緒に帰ることになってしまった。


それを教室に帰ってきた隼斗に伝えると、
『あっそ』と一言だけ冷たく言い放つと颯爽と帰ってしまった。


今日の隼斗はいつもよりも不機嫌だなぁ。
なんか嫌なことでもあったのかな?


なんて、あたしには関係ないか。







「藤沢さんってさ、
これ好きだね?あげるよ」



約束の放課後になり、二人で通学路をのんびりと歩く。


そんな中、宇都宮くんがカバンの中から取り出してあたしに差し出したのはチョコレート。



「わぁ、コレすっごい好きなの!ありがとう!
隼斗がオススメしてくれたんだーっ!」




甘いものが大好きなあたしと隼斗は
よくお菓子のオススメしあいっこをしたりする。