「なんだろう…」



椅子から立ち上がって宇都宮くんのところに行こうと足を踏み出した瞬間



「行くなよ」



隼斗に腕をがしっと掴まれた。



「えっ?なんで?呼ばれてるんだもん」



無視するのはさすがにできないよ。
あんたのことならまだしも相手は宇都宮くんだし。



「…んだよ。やっぱいい、早くいけよ」



納得いかないような態度でパッと手首を離すと、イスから立ち上がり、教室から出て行ってしまった。


なんなの…アイツ?

態度悪いやつだわ~……。



「どうしたの?宇都宮くんっ!」



隼斗のことなんて気にしないで
あたしは宇都宮くんのところに向かう。



「あ、あのさ…藤沢さん。

今日の放課後…
俺と一緒に帰ってくれない?」




えっ…!?
一緒に帰る…!?