しばらく頭の上にハテナを浮かべていると
「はぁ…だから、こうするって意味」
痺れを切らしたように
隼斗は自分の手とあたしの右手を重ねた。
えっ…!?
こ、こ、これって……!?
手を繋ぐというだけで、
不思議なのに…ましてや恋人つなぎなんてっ!!
軽く一人でパニックを起こしていると、
「迷子になるから」
彼は照れくさそうにそう吐き捨てると、
ぷいっとそっぽを向いてしまった。
あっ…なーんだ。
迷子になるからか…。
って、なんであたしは悲しんでるわけ!?
「そ、それだったら許してあげるっ!」
破裂しそうなぐらいうるさい心臓の音を
紛らわすかのようにあたしはそういった。
すると、隼斗は何がおかしいのか
ふわっと小さな笑みを浮かべた。



