そして、あっという間に
午後三時頃になった。
あたしは隼斗を家に
一人、ほったらかして隣の家へと向かう。
「こんにちは~っ!!」
「あっ、来たわね!愛咲ちゃん♪
どうぞどうぞ、入って入って♪」
中から笑顔で出迎えてくれたのは、隼斗のママの香織さん。
「香織さん、今日は突然ごめんねっ!!」
「いいのよ~っ!
じゃあ、早く着付けちゃいましょ♪」
あたしは浴衣を着るために
香織さんにお願いしたのだ。
今年は四月にママが新しいのを
デザインして試作品として作った浴衣。
白がベースのバラ柄で帯が紫。
ちょっと大人っぽすぎたかなぁ?
なんて思うけど、たまにはいいよね。