「……ちゃんと夏祭り連れて行ってよね」
また、可愛くない言い方。
こんな素直じゃない自分に嫌気がさす。
「当たり前だろ」
そう答えると、隼斗は満足気に微笑んだ。
こんなあたしなのに
どうしてキミはそばにいてくれるの?
どうしてそんなふうに
優しく笑ってくれるの?
「ま、この俺のおかげだな」
そういうと、あたしの頭をくしゃりと撫でた。
昔から仲直りした後にいつもしてくれた。
これがあたしと隼斗の仲直りの印みたいな感じ。
「か、髪の毛がグシャグシャになっちゃう…!」
なんて口では言っているけど
本当は嬉しい気持ちでいっぱいだった。
「元からグシャグシャだから安心しろ」
「うるさいーっ!!」
こんな失礼なことしか言わないのに……
たまに優しくて気配りができるそんな隼斗に
いつの間にか、
幼なじみ以上の存在として
……意識してしまうようになっているのかも。