「うん」
あたしがぶっきらぼうにそう答えると、
ぎゅっとさっきよりも体が引き寄せられてあたしの心臓は音を立てて、加速していく。
えっ……!?
なにこれ……!!!
ど、どうすればいいの…!?
完璧に抱きしめられてるじゃん!?
こんなこと初めてで
どうしたらいいのか分からなくなる。
「…頑張ったじゃん」
すると、耳に優しい声が届いた。
身長差があるから耳元で呟かれるような形になる。
なんで…なんで今そんなこと言うのよ…!
吐息が耳にかかって、ジンジンと熱を帯びていく。
そして、ようやく、あたしと隼斗の体は離れた。
「わりぃ、抱きしめたりして…」
謝るなら…そんなことしないでよ…っ!!
いきなりあんなことされたら緊張しちゃうじゃん。
だけど……なぜかイヤじゃなかった。
むしろ、安心したし、心地よかった。