それなのにあんなふうに八つ当たりまでしちゃって…最低なのはあたしの方じゃん。
重い気持ちのまま、次の時間になり、
ずっと気になっていた数学が返ってきた。
結果は、まさかの60点だった。
今までのあたしじゃありえない点数。
いつもは30点台を低迷してるのに。
本当なら飛ぶほど嬉しいはずなのに……
隼斗とは少し気まずくなっちゃった。
目が合ってもお互い、逸らしてしまう。
無事、夏休みを手に入れたはずなのに…。
あたしの気分はずっと晴れないまま。
結局、隼斗に話しかけることも何も出来ないまま、全ての授業が終わってしまった。
帰ろうと机の横にかかってある
スクールバックを手に取ろうとした時
「おい、愛咲」
あたしの名前を呼んだのは
他の誰でもない隼斗だった。



