クラスのみんなはヒューヒューと指ぶえを鳴らしたり、キャーッと悲鳴を上げたりしている。
でも、その中であたしだけポカーンとしていると、
「愛咲みたいなお子ちゃまには難しいな」
隼斗が意地悪そうに笑いながら言った。
なっなっ…！！！
またあたしをバカにした！！！
だけど、再び隼斗の顔見ると、さっきの表情から一転して、切なげに瞳を揺らしながら無理に笑っていた。
どうして…どうして
そんなふうに笑っているの？
聞きたい。けど、聞けない。
「うっさい！！
まだまだ成長段階なのっ！！」
隼斗のさっきの顔が頭から離れなくて、
いつもみたいにキツいことは言えなかった。
「またお前らは～ほんとに仲がいいんだな。ほら次は藤沢だぞ」
「仲良くないですから！！」
あたしはそう言いながら、
先生にテストをもらいに行った。
