───…お前なら大丈夫



ふと、頭に浮かんだのは昨日の隼斗の言葉。
そうだ、あたしなら大丈夫。


だって頭がパンクしそうなぐらい勉強したんだもん。


そう思うと、不思議なくらいみるみると自信が出てきてテスト開始三分ほどであたしはようやく手を動かし始めた。



なんか……このテストいつもよりも簡単じゃない?



隼斗が教えてくれたところが全部出ている。


この公式は…こうやって解いて…っと。
自分でも驚くぐらいスラスラと解答欄が埋まっていく。


まるで、なにかの魔法にでもかけられた気分だよ。



「はい、終わりっ!」



先生の合図で、シャーペンを置いて、解答用紙を後ろから集める。


いつもなら、空欄だらけの解答用紙も今日は空欄は一つもなかった。


わからなかった問題はなかった。
そのときに改めて、隼斗の凄さを感じた。