正直、隼斗はすごく教え方が上手い。
だから、勉強が苦手なあたしでも分かりやすい。
ここ数日であたしすごい賢くなった気がする。
脳に知識がいっぱいついた気がするよ。
スパルタな家庭教師は
朝から日が暮れるまで続いた。
勝負の日は、明日。
でも、あたしには
どうしても一つ気になることがあった。
「ねぇ、隼斗」
「ん?」
「あたしばっかりに教えててくれたけど、
隼斗は勉強しなくてよかったの?」
それがとても心配だった。
この一週間あたしに付きっきりで勉強を教えてくれたから、自分の勉強をしてないんじゃないかって不安だった。
あたしのせいで成績や順位が下がるのはイヤだし。
「心配すんなって。この俺様だぞ?
心配なら真っ先に成績表見に行けよ。
一番上に書いてあるから見つけやすいぞ?」
自信満々で、誇らしげに笑いながら隼斗。
はぁ……心配したあたしがバカだったのかな。



