ふと、横を向けば真剣な顔で数学のテキストを見ている隼斗の横顔。それを盗み見る。
なんか……ずっと見ていたい。
あれ…?
あたし、どうしてそんなことを思っているの?
「んー…ここは…ってなに?そんなに見つめて」
ジーッと見つめていたから
隼斗に気づかれてしまった。
「えっ!?なになに!?どこって!?」
恥ずかしいから見つめていたことには触れないで、テキストをのぞき込む。
「なぁ、なんで俺のこと……見つめてた?」
「べ、別にたまたまっ!!!」
なんか恥ずかしくて目が合わせられない。
いつもならこんなことくらいどうってことないのに。
「そうか。
あ、ここを求めるには
0.4÷0.2をすればいいんだ。この公式は…」
意外にもすんなりと流してくれた。



