「よっ、咲良」

「うわっ、あんた見ると目が汚れる」

夏の暑さがジリジリと残る9月。

幼馴染みの、晴人が私の席の前に座った。

「ひっでぇ。咲良さもう少し優しくしないと彼氏出来ませんよー?」

「いいの、彼氏なんて。今は必要ない」

「うわっ。青春しないとー、もったいない」

「うるさい、ほらC組の中村さんこっち見てる」

中村さんは、私達と中学からの同級生で晴人のことが好きらしい。

でも、晴人はなぜか告白を断っているらしい。