そう言って司さんは私を捕まえた。 そのどこまでも美しい男の体は どこを見ても白かった。 彫刻で出来た石像のような白さなのに 触れても皮膚は少しも硬くない。 不思議だった。 自分と同じ人間(ヒト)だとは思えなかった。 この世のものとも感じられない。 『刹那』 たとえひとときの夢のような 時間だとしても このように美しい男が存在することを その日わたしは知ったのだ。