その時、店長が休憩室に入ってきた。
「あっ、えっ、もう終わりだけど帰らないの?

「えっ、そうなんですか。かっ、帰ります」
バタバタと、帰り支度をしてドアを開ける。
「今日どうだった?続きそう?」
店長が、たばこをくゆらせながら聞く。
「あっという間に終わって何がなんだか分かりませんでした。」
素直に感想を言うと、
「そんなもんだから、平日は楽だから今は日曜日な上に春休みだからしばらくは忙しいかな。じゃ」
そういうと、店長は仕事に戻って行った。
私のことを気にかけてくれていたんだ。男が一緒の職場って、こんなんなんだな。いろいろ、違うな。
それまでは、年上のマダム(平たく言うとただのオバチャン)たちとの出会いが多い職場ばかりだった私は、なんだか、不思議な気分だった。悪くないな。