「まずいまずいまずい!」
 一気に私の頭がパニックに陥る。

「送らない訳にいかなくなっちゃったじゃん!」
 どうしよう、なんて送ろう。携帯を手にした私は思いついた文字を打ち込んでいく。


『お久しぶりです、市田です。内川くんに連絡先教えていただきました。

一昨日の飲み会は3人で失礼しました、また機会があれば今度は4人で行きましょう。』

ってこれじゃ、私が内川くんに連絡先聞いたみたいになっちゃうじゃん!何でお前俺の連絡先知りたがってんだよ、って速水さん絶対なるし。

いや、別に知りたがってないし、
内川くんが強制的に送り付けてきたわけだし。

といっても本音言うと、内川くんに長嶋さんの連絡先教えたとき、速水さんの連絡先持ってるのかなってちらついたのも確かで……。

やーやーとにかく!
これはもういろいろ問題があるからボツ!

一気に文字を消すと、うーんと考えてまた新たに打ちこんでいく。


『お疲れさまです、市田です。

内川くんに長嶋さんの連絡先を教えたので、私もその際速水さんの連絡先をいただきました。

内川くんが昨日は速水さんがいないと残念がってましたので、また別の機会を設けてあげてください。』

……長い。

口で言ったら別にそうでもないのに文字で送るとなると長い…。

絶対これ見た瞬間「う」ってなるよ、速水さん。

もっと短く。
もっと端的にしなきゃ……。