すっかりそれから長嶋さんの話を聞く役に回った私は、車の話に加えて、彼の趣味であるダーツにビリヤードなどの話も聞き始めた。

といっても長嶋さんと飲みに行くと大体話すのはそれらの話だったりするわけで、別段珍しいというわけでもない。

「それでこーね、パーンとやったわけ俺!」
お酒の力もあっていつもより饒舌。

「はい、聞いてますよ。」
 笑いながら私は彼のジョッキにお酒を注いだ。

私も長嶋さんにつられてお酒の減るペースが速い。
長嶋さんが帰りに困ってはいけないと合間合間にお水も差しだした。