「だけど、一緒に飲んでた時に、素直にそう言ってくれたらよかったんですのに。」
そしたら顔を見合わせて、もっとちゃんと…うーん上手に言えないけど、誠実に対応したっていうかさ。
「すぐ素直になれるほど、俺が器用だと市田は思う?」
「それもそうですね。」
「おい。」
きっぱり言い放った私に、彼は否定しなさいと笑った。
やっぱり速水さんとは、こうして笑いあってる方が私は好きだよ。
「私のこと信じてくださいね。
私も、速水さんのこと信じてますから。」
「…うん。」
彼は納得したように優しくうなずく。
それにしたって、
「私のこと気にしてる、もの好きなんて速水さんぐらいなんですからね。」
長嶋さんは上司だから気にしてくれてるのだと思うし。
「…そういうとこにつけいられそうで心配なんだけど。」
「え?何か今いいましたか?」
「何でもないよ。」と彼は笑う。
うまく聞き取れなかったけれど、何気ない呟きに過ぎなかったみたいだから私はそのまま聞き返さずに放っておいた。
「明日は何するの?」
「DVDでも借りにいこうかなって。映画見たい気分になっちゃって。」
「いいじゃん。」
電話向こうで、何やらガサガサと動く音が聞こえる。
布団…にでも速水さん入ったのかな?
いつの間にそんなに時間経ってんだろう。時間確認していないから、よく分からない。
「俺、あれ好きだよ。知ってる?」
「どれですか?」
「ロボットが出てくる、トランスファーマーってヤツ。」
「あぁ、海外の?」
テレビで再放送してたのを1回ちらっと見たことあったっけ。5作ぐらいシリーズ続いてなかったかな。ある農家の野菜が急にロボットになって、宇宙人と戦い始めるんだよね。
「そうそう、ロボットが可愛くて。
市田あれに似てるよ。」
「どれですか?」
「んー、最終的に敵に真っ二つに殺されるヤツ。
体ちっこいのに、反抗してくる姿とかそっくり。」
「……どういう意味ですかー。」
「ごめんごめん。」
ハハハっと怒った私に彼が笑い返す。
こうなったら明日借りて、どいつが私に似てるのか確認してやんないと。速水さんに似てる奴も探すんだから。


