「長嶋はまぁともかく……雨宮さんと仲いんでしょ?」
「へ?」
そういえば、さっきも雨宮さんのこと気にしてたな。飲んでるときに彼の名前を出してきて。
うまいこと私が言えなかったから、まだ不安を払拭しきれてないんだろうか。
「さっきも言いましたけど、全然そういうんじゃないですからね。
飲みもまぁ…誘われてますけど、それは仕事関係というか」
「雨宮さんと行くの?」
言葉途中だというのに彼は口を開く。
なんか速水さん珍しく拗ねてる?
「うん、誘われたから。」
っていっても雨宮さんだって仕事の息抜きで誘ってきたんだろうし、気にすることじゃ…。
「速水さん。やきもちじゃないんでしょう?」
私は彼の家で聞いた言葉をもう一度彼に問いかけた。彼に元の笑い口調に戻ってほしくて。
「妬いてない。」
「そういうと思いました。」
想像通りの言葉に、私はくすっと笑った。
「…って言うと思った?」
「え?」
「……妬いてんだよ、ばか。」
聞き落としそうな声の彼。
「え?え?」
速水さん?
「わざわざ2回も市田に、雨宮さんのこと俺聞いてんだよ。
妬いてる以外に何があるんだよ、あーくそ。」
笑い口調に戻るどころか、彼は余裕がなさそうにぼやく。照れくさそうにぼやく。
「本当に。」
「なに?」
妬いてるの?
そうだったら、それって、わたし
「うれしい」
んだけどなぁ。
「…うれしいって。」
彼は若干困った風に私と同じ言葉を口にした。
「嬉しんですよ。」
「あーまぁ、そう…。」
相変わらず彼はぶっきらぼう。
表情が見えないから分からないけれど、いつか見たみたいに頬を朱に染めてくれてるのかな。


