「また作って。」
「え?」
「ハンバーグ。今度は和風で。」
それってまた来ていいよってこと?
「……速水さんはなに作ってくれますか、今度。」
「サラダ?」
「いいですね。」
くすくすっと私たちは笑う。
「次はワインでも買っとこうか。市田飲める?」
「白ワインならちょっとたしなめます。」
「分かった。じゃぁ買っておく。」
「え?」
私はそこで聞き返す。
「なに、え?って。」
だって。
「…一緒に選びたいです。」
今日一緒にスーパーで買い物したとき楽しかったから。
「市田ちゃんは、かわいーないちいち。」
「うるさいですよ。」
市田ちゃんって言わないでください、私は恥ずかしくなって言い返した。
「ごめんごめん、じゃぁ今日みたいに一緒に買いに行こ。」
「……うん。」
私はこくんと頷く。
「長嶋にいい店、聞いとこうかな。」
「美味しいやつ買っちゃいますか?」
「んー、でも。」
そこで彼は口ごもる。
何だろう?
「あんまり飲んでキス魔になったらいけないしね。」
クスッと彼は笑った。
「……いいですよ。」
「え?」
「キス魔。……なってもいいって言ってるんです。」
ぼそっと私は告げた。キス、嫌じゃないもん。
「いちた。」
少し間をあけて彼は口を開く。
「電話だからいーけど、会ったときそれ言ったらだめだから。」
「……言ったらどうなるんですか。」
「だからそういうのやめなさい。」
あーもう、と彼は若干高揚しながら私に告げた。
「市田はこういうときだけ素直なんだよなぁ。」
と若干拗ねながら。
だって、速水さんからかえるのこういう会話してるときぐらいしかないんだもん。


