「えっと。じゃぁどうぞ。」
若干戸惑い口調で速水さんはガチャリと玄関のカギを開けた。
私が入りやすいように扉を支えてくれる。
自分で提案したくせに、部屋に入るだけでも結構緊張してる私。頷いて中に進む。
靴を脱ぎながら、脱ぎやすいパンプスで出勤していてよかったと思った。足首を止めるタイプになっている靴だと、脱ぐのに時間がかかってなんともいえない気まずい時間ができちゃうもん。
「ハンバーグ作るんだよね。」
速水さん家に来る途中で、買い物しに寄ったスーパーの袋を彼はがさっと鳴らす。
またしてもなかなかリビングに侵入できないでいる私に、「大丈夫だよ、入りな。」って言ってくれてるみたいに速水さんは私の背をポンと軽く押してくれた。
2回目の速水さん家も相変わらず綺麗―――速水さんがA型ってのも関係してんのかな。
この間の電話で、互いにプロフィールを暴露しあったときのことを思い出す。
私はO型って言って、「そうだと思った」って彼に即答されたっけ。たぶんお正月の部屋掃除とかの話でだいぶ前にそう思われてたんだろうな。
「市田?お酒とかまず入れるね。」
買ってきたビールやら酎ハイを彼は冷蔵庫に早速入れてくれる。
私も慌てて、ハンバーグを作る準備をしようと、買い物袋の中から材料を出し始める。
っていっても、ミンチと付け合わせのレタスぐらいしか買ってないんだけど。玉ねぎと卵とかは速水さん家にあるらしくて。


