意地悪な片思い


「恋愛は?」

「へ?」
 典型的なプロフィールの質問ばかりの中、不意にその話題を彼は切り出した。

「付き合ってた人とかいるんだろ?」

「んー、まぁ……。」
 煮えたぎらない返事。

「そういうのも知りたかったりするんだけど…話したくない?」

「いや話したくない訳じゃないんですけど……」
 私の頭に過去付き合ってきた男の人たちの顔が思い出される。

「…でも、この間言ってたじゃん。安心が欲しいって。
何かあったとしか思えないんだけど。」

「…。」
 なんでこういうとこ、速水さん鋭いんだろうなぁ。

「速水さんはどうなんですか?」
 私より年上の分、恋愛の数だってこなしてるはずだ。結婚とか、考えた人がいたっておかしくない訳だし……。

「んー、そうだなぁ。」
 彼の声が少し曇る。

「前付き合ってた人がいて、結婚とか意識してたんだけど。浮気されて。」
 浮気……

「相手が打ち明けてきて分かったんだけど、俺が仕事で忙しくしてて寂しかったって言われて。」

「うん、」

「俺が悪かったなって思ったんだけど、許せなくてさ…。」

「俺、母親いないっていったじゃん?
その分結婚に対して意識が増すんだよ、子供には同じ思いしてほしくないから。

だからやっぱり無理だなって。
離婚のきっかけになるようなことをする人と、これからのことをもう考えられる自信がなくなったから。

あーだめだって、打ち明けられちゃったとき思ったから。」