「雨宮さんのとこ行ってたの?」
「そうなんです、そうなんです。」
「そっか。」
仕事をまた手伝いに行ってたって様子でもなさそうだし、仕事の依頼かなにかなのかな。私は「お疲れさまだね」と改めて声をかける。
「市田さんは?」
「あーうん、ちょっと残業してて。お昼ヘマやっちゃってね…。」
昼食中に長嶋さんに声をかけられた後、午後を回って再び彼に声をかけられた。内容は、新たな仕事の依頼とかじゃなくて、
「朝提出した奴が計算ミスしちゃってたみたいで、一からやり直しになっちゃった。」
「珍しいですね、うっかりミス。」
内川くんが気にすることないですよと、励ましてくれる。
「うーん。」
長嶋さんに頼らずに頑張らなきゃと決意したそばからこれだからさ。
内川くんにありがとうといいつつも、心内で私は深く気にしていた。
「……そういえば内川くん。」
「はい。」
「速水さん最近、大丈夫?なんか疲れてそうだったから。」
「あぁ、お前頼むからもうちょっとしっかりしてくれって、俺すごい怒られてます。」
内川くんの苦笑いに私も苦笑いで返す。
「内川がな」ってバーで速水さんがつぶやいてたけど、あのため息もあながち冗談じゃなかったのかも。
「でも大丈夫ですよ。俺も速水さんのこと気にかけてますからね。」
「そっか。」
笑顔で私を安心させてくれようとしてるんだろうけど、
ごめん内川くんちょっとまだ心配……かな。


