意地悪な片思い


 って思っていても、結局それから1週間がたった。

仕事場でなかなか彼に遭遇しないのと、この間飲んだ時に次の約束し忘れちゃったせいで、きっかけ作りが難しい。

 3か月が過ぎちゃった今、早く言わなきゃって気持ちが馳せていくだけ。
飲みのお誘い一つ、いや、無理をしてでも話しかけることすらできていない自分が嫌になる。

 昼食のサンドイッチをはむっと私はくわえた。

 話すことができないならと、せめて彼の携帯に連絡しようとしても、この間飲んだ時に言っちゃった自分の言葉が思い浮かぶんだ。
キス魔って聞いて、私そのあと「もうお酒飲み行きませんから!」って思わず言っちゃったそれが。

ガクッと私は頭を下げた。

でも早く連絡しないと。速水さん忙しんだし。
この間飲むまで1か月かかったみたく、次の約束をしたとしてもすぐ飲めるとは限らない…


「市田。」

「はい。」
 言葉をかけられ振り返ると、長嶋さんが一枚の書類をもって立っていた。

「昼食中ごめんね、これもお願いできるかな。」

「はい。」
 私はサンドイッチを持っていないきれいな手の方で、それを受けとった。

今、仕事をまた頼まれたみたいに、私もそんなに余裕があるわけでもないんだよね。
運が味方してくれてないのかな……。

また一口、私はサンドイッチを食べた。