意地悪な片思い


「だけどさーゆっくり歩んでる、流ちょうな暇ないかもよ?」
 先ほどまでとは打って変わって、少し深刻そうに彼女が言葉をつづる。

「どうして?」

「速水さんに最初告白されたのって、結構前じゃない?」

「うん。」

「今4月でしょー、だから3月、2月、1月……ほらもう随分前に3か月過ぎちゃってる。」

「3か月って何?」

「みのり知らないの?」
 はぁと彼女はひとつため息を落とした。

「男と女が出会って恋に落ちて、告白するまでに最適なのは3か月なのよ。それ以上たっちゃったら、がくんと付き合える可能性落ちちゃうんだから。」

「そうなの!?」

「そうなの!恋愛において3って数字は何かといろんなものが付きものなんだから。」
 そういえば、付き合って3か月は一番倦怠期になりやすいって聞く。3年目の記念日も節目でなにかと別れやすいんだっけ……。

「恥ずかしくて好きっていえない~!
なんて躊躇って、速水さんにいつの間にか冷められても知らないんだからね。」

「すごい怖くなってきちゃった。」
 今更だけど。

「だからさっさと好きって言っちゃいなさいー。」
 ふはぁと彼女はそこで欠伸をこぼす。

「今日こそは付き合えたって報告聞けると思ったのになぁ。
まぁ気長にやりなさいよ、じゃぁ明日も速いから。」
 彼女はそれだけ言い残して電話を切る。

気長にって、流ちょうな暇ないってさっきまで言ってたじゃんかよ。遥さんどっちだい。

 通話が切れてることをいいことに、携帯にそう語りかけると、私ははぁと思いっきりため息をついて枕元にそいつを置いた。ベッドに私は転がる。


…今私たち何か月たってるんだろう?

えっと、えっと、うーん考えるのやめよう。下手したら半年とか経ってそうだもんなぁ。

「早く、言わないと……」