意地悪な片思い


 木曜日、私は珍しくワンピースを着て出勤した。ブラウンより少し薄め、腰のところでリボンの切り替えしがある大人しめのデザイン。

ちょっと私にはまだ早いかなって、落ち着いたデザインに気後れしたけど、可愛くて結局購入したんだ。
すっかり気に入っちゃって。

そんな、あまり仕事の時は選ばないようにしてたワンピースを今日着てきたのは、ふたりでの飲みに備えて。

私たちふたりの……これからの展開に備えて。


でも、あれ?

「市田さーん、食べてます?
これどうぞ、まだ手付けてないので。」

「うん、ありがとう。」
 私は斜め前の内川くんに返事する。

「まぁそんなせかすなって。」
 たしなめるのは隣にいる長嶋さん。少し落ち着いてるのは、まだお酒が回ってないから。

それで、私の前にはいつものごとく冷静な速水さん―――ってえ?

ふたりで飲めるって思ってたんだけどな。

ごくっと飲みながら私は速水さんを盗み見した。速水さんはそんな私を気遣ってるのか、少し気まずそうに顔をゆがめてる。

それもそうだよね、だって

「速水さんももっとお酒飲まないと!」

「あぁ、うん。」
 いつも4人で飲むときならいない彼女、

木野さんが今日の飲み会にお邪魔してんだ。