意地悪な片思い


 私は意地になって、ふーふーと勢いよく息でみそ汁を冷ました。そうこうしている間も、速水さんはからかうような目で私を見てる。

2度も火傷なんかしないやい。

私は一気に飲み干した。
だって彼はすでに食べ終わってて、私が完食しない限りその目つきをやめそうにないって思ったから。

「片づけますよ。」
 私は彼の分も自分のに積み重ねる。
彼はまだ私のこと面白そうに眺めてる。

速水さん、今みたいに私の寝顔見てたのかな。

化粧したまま寝るのはヤバいと思って、ベースメイクは水で洗い落としちゃったから、アイメイクしか残してないんだけど。

って、いやいやそういう問題じゃなくて。


まぁ彼は熱があったわけだし、朝起きて昨日の夜と何も変わったところないから、何もされてはない…ハズだよね?

 私は食器をキッチンへ持っていく。遅れてくるように彼も立ち上がって寄ってきた。

「私洗いますから座ってていいですよ。」
 熱ぶり返しちゃうといけないから。

それに今近づかれると只でさえ心臓ドキドキなので、もたないというかなんというか……。

袖をまくり、スポンジをわしゃわしゃと泡立たせる。

「台拭いてくる。」

「はい。」
 私は軽く食器類を水で洗い落とした。

元気になったみたいだし洗ったら帰らなきゃ。1日帰らなかっただけとはいえ、家の様子もちょっと心配だしな。